H470 Steel LegendでCore i7 11700Fを使う。前世代マザボで第11世代CPUはどう動くのか検証
ASRockのマザーボードH470 Steel Legendで使っていたCore i5 10400FをCore i7 11700Fに交換したので、どのように動作するのか検証しました。
動作環境
パーツ | 製品名 | 備考 |
---|---|---|
マザーボード | ASRock H470 Steel Legend | 11 Gen CPU対応BIOS 1.60適用済み |
CPU | Core i7 11700F (Rocket Lake-S) | クーラーは虎徹 Mark II |
システムドライブ | Seagate FireCuda 520 1TB | PCIE Gen4x4 |
メモリ | TEAM DDR4 3200MHz PC4-25600 8GBx2 | JEDEC準拠の非OCメモリ |
グラフィックボード | 玄人志向 GG-RTX3070-E8GB/TP | GALAXのサイトで公開されているResizable BAR対応vBIOS適用済み |
H470 Steel Legendについて
H470 Steel LegendはIntelの第10世代CPU (Comet Lake-S)向けに発売されたマザーボードです。BIOSをアップデートすることで第11世代CPU (Rocket Lake-S)も使用可能になります。1世代前でありながら、外部ベースクロックジェネレータを搭載することでPCIE 4.0に対応しています。
検証結果
メモリクロック3200 MHzで動作するか→Yes
H470 Steel Legendの規格ではDDR4 2933まで対応となっていますが、普通に定格3200 MHzで動きました。ただし、メモリコントローラのクロックがメモリの半分になるGear2モード動作になります。
メモリクロック3200 MHzでGear1モードは動作可能か→No
UEFIの「DRAM Gear Mode」という項目でGear1に変更することができますが、FF15ベンチマークが強制終了したり、PCがフリーズするようになってしまいました。3200 MHz→2933 MHzにしても同じで、さらに下げた2800 MHz Gear1でようやく安定しました。
500シリーズのマザーボードでは違うかもしれませんが、Gear1でクロックを上げるのは無理なようです。
SSDはPCIE 4.0で動作するか→Yes
H470 Steel Legendには「Hyper M.2」という第11世代CPUのみで使用可能なスロットがあり、ここにSSDを搭載することでPCIE 4.0x4で動作します。CrystalDiskMarkでベンチマークを実行すると約5000MB/sの速度が出ていることを確認できました。原因は不明ですが、Q1T1のシーケンシャルリード/ライトがやや遅くなっています。
グラフィックボードはPCIE 4.0で動作するか→Yes
NVIDIAコントロールパネルで「PCI Express x16 Gen4」になっていることを確認しました。一方でGPU-ZとCPU-Zではx8と表示されていて、本当にx16動作なのか不安があります。Hyper M.2スロットを使用するとx8に分割されるのかもと考えましたが、PCの分解が面倒で検証できていません。
Resizable BAR (Clever Access memory) は有効化できるか→Yes
これは対応するCPU・グラフィックボード・ゲームの組み合わせでデータ転送効率が上がるという機能で、ASRockのマザーボードではClever Access Memoryという名称になっています。有効化するにはUEFIから以下の設定が必要です(ちもろぐの記事を参考)。
- CSM (Compatibility Support Module) を無効化する
- Above 4G Decodingを有効化する
- Clever Access Memoryの設定項目が現れるので有効化する
- NVIDIAコントロールパネルのシステム情報で「リサイズ可能なベース アドレス レジスタ はい」になっていればOK
Base Frequency Boost (BFB) は動作可能か→No
BFBはASRockのマザーボード独自の機能で、オーバークロック非対応のCPUでもベース周波数を底上げできるというものです(最大周波数は変化せず)。試しにターゲットを自動(65W)から125WにしたところPCが起動しなくなり、CMOSクリアすることになってしまいました。
結論
メモリクロック3200 MHz、PCIE 4.0で動作することが確認でき、マザーボードを買い替えなくても最新機能が使えるのは良かったです。メモリをGear1にしたかったのですが不安定なので、基本は初期設定のままでResizable BARを有効化させるだけに留めることにしました。
おまけ:CINEBENCH R23
マルチコアだとCPUファン回転数が100%に達してしまい、虎徹 Mark IIだと冷やしきれず評価できませんでした。Turbo Boost Max Technology 3.0有効状態でシングルコアは1530 ptsとなり、Core i7 11700Fは前世代のCore i7 10700Fから20%近く上昇しています。これはCore i9 10900Kすら上回るスコアです(参考:Cinebench R23 スコア表)。
追記:CPUの電力制限
Rocket Lake-SのCPUでは負荷時に電力制限がかかるため、最大パフォーマンスを出すにはIntel Extreme Tuning Utilityで制限を解除する必要があるとのこと。そこでTurbo Boost Power Max (PL1)とTurbo Boost Short Power Maxを無制限にした結果、TDP 160W、CINEBENCH R23のマルチコアスコア13859 pts という結果になりました。
おまけ:FF15ベンチマーク
FF15ベンチマークを高品質・1920x1080・フルスクリーンで実行しました。メモリクロック3200 MHz Gear2で結果は12460(非常に快適)でした。なおFF15はResizable BARに対応していないのでスコアには影響しません。
ASRock Intel 第10世代CPU(LGA1200)対応 H470チップセット搭載 ATXマザーボード 【国内正規代理店品】 H470 Steel Legend
- 発売日: 2020/05/27
- メディア: Personal Computers